住宅業界の全体像
ハウスメーカーは、耐震性能や断熱性能からプランニング・デザインまで、バランスの良い家づくりを行っています。とくに注文住宅を検討するなら、欠かせない存在です。
しかし、この業界は、他の産業と比べても非常に分かにくい性質があります。
そこで、まずは業界の全体像を把握し、その上で各メーカーの特徴や価格帯を見てみましょう。
1.建築物の構造体によるグループ分け
| 日本
由来 |
木造・木質系 |
鉄骨造 |
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|---|---|---|---|---|
木造軸組構造 木造在来工法 |
鉄骨軸組構造 鉄骨在来工法 |
|||
![]() |
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|||
敷地対応力:◎ |
可変性:△ |
敷地対応力:○ |
可変性:△ |
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主なメーカー(2F) |
主なメーカー(3F) |
主なメーカー(2F) |
主なメーカー(3F) |
|
住友林業 積水ハウス (シャーウッド) タマホーム 一条工務店 他) 多数 |
住友林業 積水ハウス (シャーウッド) 大和ハウス |
へーベルハウス 積水ハウス 大和ハウス パナホーム トヨタホーム |
ヘーベルハウス パナホーム トヨタホーム |
|
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欧米 由来 |
木造・木質系 |
鉄骨造 |
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2×4(ツーバイフォー)工法 木質パネル工法 |
ラーメン構造 |
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敷地対応力:○ |
可変性:× |
敷地対応力:△ |
可変性:◎ |
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主なメーカー(2F) |
主なメーカー(3F) |
主なメーカー(2F) |
主なメーカー(3F) |
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三井ホーム エスバイエル ミサワホーム セキスイハイム (ツーユーホーム) スウェーデンハウス 他) 多数 |
三井ホーム ミサワホーム |
ヘーベルハウス 積水ハウス セキスイハイム パナホーム ミサワホーム (セラミック) |
ヘーベルハウス セキスイハイム 積水ハウス 大和ハウス パナホーム ミサワホーム (セラミック) トヨタホーム |
|
まず、住宅メーカー各社の性能など細かいスペックを比較する前に、どのハウスメーカーがどんな構造を採用しているのか、全体像を抑えましょう。
住宅は構造によって、基本的な性質が決まります。
とくに、
- 敷地対応力
- ・敷地の形状に合わせることができる設計の自由度。
・変形、狭小敷地、複雑な斜線規制がかかる敷地などでは特に重要。 - 可変性
- ・柱や耐力壁などに左右されず、将来の間取りを変更できる自由度。
・将来、親や子供と同居するなど、家族構成の変化の可能性がある場合は重要。
といった性質は、構造体でほとんど決まります。
尚、耐震性能や断熱性能などは、構造体の種類より、メーカーの設計・仕様による影響の方が大きいでしょう。
2.業界ポジショニングによるグループ分け
また、所属するグループによって傾向に違いがあります。
住宅・不動産業界の主な団体とグルーピング
| 住団連 | プレハブ建築協会 | 大手ハウスメーカー | 積水ハウス セキスイハイム ヘーベルハウス 大和ハウス など |
|---|---|---|---|
| 日本木造住宅産業協会 日本ツーバイフォー建築協会 |
住友林業 三井ホーム ミサワホーム など |
||
| パワービルダー フランチャイズ系 |
タマホーム アキュラホーム など |
||
| 中小工務店 | |||
| 経団連 | 不動産協会 | 大手ディベロッパー | 三井不動産 住友不動産 東急不動産 など |
| 不動産会社 |
※例えば、積水ハウスは、上記の団体すべてに加盟していますが、業界ポジショニングを分かりやすくするために、プレハブ建築協会の欄に表示させました。
エピソード1.住宅基本法と住生活基本法
住団連(住宅生産団体連合会)は、1,000万戸を超えると言われる、耐震基準を満たさない住宅の安全性を上げることなどを主たる目的とした住宅基本法(案)を国交省に提案してきた。
そして、いよいよ採用間近、という段階になって突如、経団連が住生活基本法を提案、国交省はこちらを採用し、2006年に公布された。
最大の違いは、筆頭に上げられたものが、不動産業界が望んだ中古住宅の流通促進であったこと。大手住宅メーカーが望んだ、建て替え需要の促進は見送られることとなった。
エピソード2.タマホーム 景品表示法違反
2006年、タマホームは、TV・新聞雑誌、自社WEBサイト・パンフレットなど、様々な広告媒体に、
注文住宅着工棟数2年連続日本一
- 2004・2004年度注文住宅地域ビルダーランキング(着工)第1位 - 株式会社住宅産業研究所調べ
と、掲載した。「日本一」と言いながら、非常に小さい字でビルダーランキング、すなわち大手メーカーを除いた中で日本一、であることを記載。
これに最も怒ったのは、本当の日本一、積水ハウス。
同社の和田(前)社長が率先して、公正取引委員会に排除命令を出すよう求めた、との事。
このように、住宅業界では、協会・団体の異なる企業は、かなりの敵対関係にあると見て良いでしょう。
逆に、同じ協会・団体の企業同士は、共同で資材を購入したり、分譲開発、住宅ローン開発、住宅展示場運営などで協力しあう関係にあります。
しかし、末端の営業担当者は全く正反対で、同じ住宅展示場内の大手メーカー同士も犬猿の仲で、展示場内であいさつすらしません。逆に、不動産会社とは仲が良かったりします。
グループによる傾向の違い
大手ハウスメーカー
このグループは、戦後の経済成長期に創業し、様々な技術や暮らし方を創りだしてきた、という自負があります。
また、建築設計だけでなく、ファイナンシャルプランニング、税、法律、など様々な分野で専門知識・経験があり、契約者や入居者は、顧問弁護士・会計士などと無料で相談できることもあります。
ただし、不誠実な営業担当にあたると、高額なのにひどい家、という最悪の組み合わせになる危険性があります。逆に、優れた営業社員は、設計・工事担 当や職人さんのモチベーションを上げたり、トラブル時もすぐ幹部や外部専門家を動かす、などカタログに掲載されている性能値以上の家づくりが期待できま す。
- 得意分野
- ・高性能、高機能住宅。
・設計の自由度と、部材の規格化による精度・性能保障のバランス。
・顧客との人間関係構築、紹介営業。 - 苦手分野
- ・ローコスト対応。
・規格外対応。
パワービルダー ・ フランチャイズ系
パワービルダーとは、ある地域で強い勢力を持つ工務店などを指します。ただし近年は、タマホームのように、ほとんど全国をカバーしつつある企業も登場し、大手ハウスメーカーとの違いが不明瞭になりつつあります。
このグループは、比較的最近登場し、大手ハウスメーカーを否定することで拡大してきました。
「先月まで美容師でした。」という人が、お客さんにプランの説明をしているなど、人材確保に苦戦していますが、近年は、大手ハウスメーカーで実績を出せなかった営業社員が、このグループに転職することが増えてきて、いずれ人材的な差も縮まるかもしれません。
企業の淘汰も頻繁で、「100年住宅と言われて買ったら、会社が3年で消滅した。」など笑えない事例もあります。
2009年1月29日、富士ハウスは東京地裁に破産申し立てをしました。
同社は2008年に、国土交通省の超長期住宅先導的モデル事業(いわゆる200年住宅)に、
「資産価値の高い住まい」として認定されました。何とも皮肉なことです。
※富士ハウスWEBサイトの200年住宅のページのキャッシュがGoogleに残っていたので、jpg画像にして保存しておきます。
- 得意分野
- ・ローコスト対応。
・大量販売(営業一人当たりの販売数は、大手の2倍以上の企業も) - 苦手分野
- ・性能、設計力。
・経営の安定。
ディベロッパー・不動産会社系
一般消費者の方は、住宅メーカーも不動産会社も似ているように思われるかもしれませんが、実際はかなり異なる性質を持ちます。
とくに、大手ハウスメーカーは、契約客・入居客からの紹介ルートが重要な集客手段となっていますが、不動産会社の場合、立地と価格でほとんど決まる商売であるため、紹介という文化がほとんどありません。
その違いは、クレームの際に表面化します。信頼回復を第一とするか、予定外のコストを抑えることを第一とするか。私たち業界人でも、驚くほどの差があります。
- 得意分野
- ・物件の目利き。その物件がいくらで売れるか。
- 苦手分野
- ・建築などの専門知識
これらを踏まえた上で、各社を検討しましょう。



